昔話をひとつ


 自分に記憶はないがこんな話がある。

母が涙出るほど笑いながら話す。耳たこ状態。


乳幼児だったころのわしは、

「色黒で、眉毛ちゃーしょんだれて、顔ちゃぶーとふくれて
おかし〜〜〜〜顔をしちょった。」

母をはじめ親戚一同の感想↑

うるせえ。

たしかに、一度もほめられたこたあないよ。

なので世界で一番くらいにぶさいくなんだろうと思って育ったよ。

という状況下

ぶさいくな子供に歌を教える母。

「私の人形はよい人形〜♪

目はぱっちりと♪

色黒で〜♪」

純真無垢な子供は覚えます。

そして、だれだかの膝の上に抱かれたその子はその通りに歌いました。

「♪〜〜〜と、色黒で〜〜〜♪」

抱っこしてた人、それを聞いて一言

「ほ?!」



わかったよ、思い出して笑ってんじゃないよ。

いつまで笑ってんだよ。

涙出してまで笑うんじゃないよ。

はいはいはいはい、聞きましたーー。

もう何度も聞きましたーー。

わかりましたーー。

もうええっちゅーんじゃ。