バス

 

 雨の日、

満員バスの中

湿気も200パーセントくらい

ただでさえ不快。

なのにっっ

変なおやじが

ひとりごとを言っている。

それもみんなに聞こえるようなでかい声でだらだらとである。

最近の若者はうーたらあーたら

しつけがなってないうーたらあーたら

大体親がしつけることができてないうーたらあーたら

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あああっ

後頭部に蹴りをくらわしてやりたいぐらいうるさい

くあああああああああああああああああ

わしのような女がうるせーなどと言ったところで

反撃を食らうのは目に見えている

逆ギレも怖い

いらいらいらいらいらいらいらいら

そうしてると

突然

『おっさん うるせーんだよ。

そんなにえらそうなこと言ってんだったら

どっかで演説してこいよ。

み・み・ざ・わ・り・なんだよっ!』

おおおおおっ!

誰?

柔道とかやってそうな恰幅のいいおじさまだ。

ひとりごとおやじが逆ギレするんじゃないかと

数秒間、バスの中に緊迫が走ったが

心配なし

ひとりごとは止まった。反論もなし

ただ、黙ってしまうのがくやしかったのか

ふふふ〜ん♪などと小さい鼻歌を歌いはじめた。

ざまーみやがれ

へっへー

ほっとおちつい

たのもつかの間

恰幅のいいおじさまはひとりごとおやじよりも先に

バスから降りてしまった

復活するひとりごと・・

う〜〜〜〜〜〜〜

ひとりごとおやじぃ

あんたの親もあんたをちゃんとしつけられなかったんだね

なーんて

精神異常者に何言っても無駄か・・。